Mystery Trainさん





















「Everlasting Southern Soul」




 James Carr /  You Got My Mind Messed Up

















   Donnie Fritts / Prone To Lean

@音楽に関するメッセージ
 私にとっての『音楽』は50年代がすべて。
 それはロックンロールでも、ブルースでも、R&B(ソウル)でも、
 また、ジャズについても同様です。
 ジャンルは異なっていても共通しているのは、
 胎動期から成熟期までの
一歩手前の炸裂するような息吹と熱気。
 凄まじいばかりのエネルギー。どの音楽を聴いても、その熱い思いが聞き取れるわけです。
 偶然かもしれないけれど、これらの音楽の歩みはほとんど同じではないかと、思えてならない。

 今の音楽も、すべて、これらの時代がなければありえないような気がするわけです。
 シンプルであるけれども、そのソウル、魂がすべて凝縮されていて、
 いつ聞いても胸を打つ音楽です。本当に『いい音楽は永遠だ!』と言いたいですね。
 いつになっても、この時代の音楽は繰り返し聴かれることでしょう。
 また、そうあって欲しいと思います。

A好きなミュージシャン
 ロック系
 エルヴィス・プレスリー、エディ・ヒントン、ドニー・フリッツ、ダン・ペン、
 トニー・ジョー・ホワイト、ディラン、
JJケール、ヴァン・モリソンなど多数、
 主に南部系のシンガー、ミュージシャン
 ソウル系
 ジェイムズ・カー、サム・クック、
O.V.ライト、キャンディ・ステイトン、ドリス・アレン、
 スペンサー・ウィギンス、オベーションズ、ドン・ブライアントなど
 サザン、ディープ系のシンガー
 ブルース系
 オーティス・ラッシュ、ライトニン・ホプキンス、ボビー・ブルー・ブランド、
 マディ・ウォーターズ、マジック・サムなど多数
 ジャズ系
 カーティス・フラー、ミルト・ジャクソン、スタン・ゲッツ、ウィントン・ケリー、
 レイ・ブライアント、ウェス・モンゴメリー、アート・ペッパーなど多数


B好きな楽器
 ドラムス、ギター、ウッド・ベース、ピアノ、テナー、アルト・サックスなどなど。
 中学生のとき、キングストン・トリオ、ブラザーズ・フォー、ディランなどのフォーク・ブームで
 
ギターを、その後、ヴェンチャーズのメル・テイラーのドラミングに目覚めドラムを独習。
 20歳を回ったころ、先輩から勧められてマックス・ローチ、エルヴィン・ジョーンズ、
 フィリー・ジョー・ジョーンズ、シェリー・マンなどのジャズ・ドラマーのレコードを聴く機会を得た。
 その超絶テクニックに圧倒された。また、それらのモダン・ジャズを聴いてから、
 ピアノ、ベース、サキソフォン、ギターなどの楽器に深い関心、興味を抱くようになった。

C趣味
 読書 
 推理小説  松本清張氏、森村誠一氏など

 時代小説  山本周五郎氏、藤沢周平氏、池波正太郎氏など

 映画鑑賞 
 ロバート・デ・ニーロ、クリント・イーストウッド、チャーリー・チャップリンなど


D好きな風景
 音楽のある風景なら、どこでも、何でも。たとえば、あまり大きくないライヴハウスなどで、
 タバコの煙とウイスキーの香りが漂うようなところ、そこでピアノ・トリオのジャズが流れ、
 しっとりとしたヴォーカルなんかがあれば最高です。

Eあなたにとっての名盤
James Carr / 「You Got My Mind Messed Up
 60年代半ば、メンフィスのローカル・レーベル、ゴールドワックスで録音された
 サザン、ディープ・ソウルの大名盤。私にとって最高のアルバムがこれ。宝物です。
 
She’s Better Than You」、「Forgetting You」、「Love Attack
 そして、ダン・ペンが作った「
Dark End Of The Street」など珠玉のソウル・バラードがぎっしり。
 
それにしてもジェイムズのヴォーカルが凄い。まるで神がかり的なヴォーカルで圧倒されます。
 そして、ジェイムズを盛り上げているバックのメンフィス・サウンドがなんとも素晴らしいのです。
 
まさにグレート!!


Candi Staton / 「Stand By Your Man
 女性サザン・ソウルシンガーの極めつけアルバム。
 先のジェイムズのアルバムと双璧となるグレート・ディープ・ソウルです。
 アラバマ、マッスルショールズのフェイムで録音。
 カントリーの名曲「
Stand By Your Man」を見事なソウル・ナンバーとしてカヴァー。
 また、ソウル・バラードの「
How Can I Put Out the Flame 」で何度、涙したかわかりません。
 
ほかにもすばらしい曲がたくさん収められています。


Dan Penn / 「Moments From This Theatre
 ジェイムズ・カーなどが歌った「Dark End Of The Street」の作者であるダン・ペン。
 他にもアレサ・フランクリン、パーシー・スレッジ、オーティス・レディング、ボックス・トップスなどに
 名曲を提供してきたダンは、自らの曲を盟友のスプーナー・オールダムのオルガンと
 彼のギター&ヴォーカルだけのシンプルな編成で歌い上げるイギリスでのライブ・アルバム。
 作者自身の説得力あるヴォーカル。淡々としながらも、その渋さと深さに改めて感動する。
 それにしても歌のうまさには舌を巻く。近年の名盤である。
99


Eddie Hinton / 「Very Extremely Dangerous
 よく白いオーティス・レディングと形容されるエディ・ヒントン。
 それほどにフィーリングが黒い。初めて聞く方なら誰も彼を白人と思えないだろう。
 彼はマッスルショールズのスタジオ・ミュージシャンでギタリストとして活躍。
 紹介したアルバムはソロ・アルバムとしてのデビュー作。
 バックはもちろんマッスルショールズの面々、バリー・ベケット、ロジャー・ホーキンス、
 デヴィッド・フッド、ジミー・ジョンソンなど。すばらしいサウンドを提供している。
78年の録音。
 惜しくも
95年に他界。シンガーとしてよりダン・ペンと同じソング・ライターとして
 ソウル・シンガーに優れた楽曲を多数提供していた。もちろんバックでギタリストとしても参加。
 あまり知られていないがエルヴィスの
70年頃の作品、4曲でリード・ギターを担当した。


Donnie Fritts / 「Prone To Lean
 この人もマッスルショールズでソング・ライターとして、キーボード奏者として活躍した人。
 74
年の幻のデビュー作品がこれ。(当時、輸入盤のみで日本盤はなかった)。
 数年前に遂にCD化された!!ダン・ペン、エディ・ヒントンともコンビを組みソウル、
 カントリー・ナンバーの名曲を多数書いている。このアルバムでも彼らがバックアップしている。
 そのほかのバックアップ・ミュージシャンとしてマッスルショールズの名人たち、
 バリー・ベケット、デヴィッド・フッド、ロジャー・ホーキンス、ジミー・ジョンソンなどの
 お馴染みのミュージシャンが参加。なぜか、ドニーの歌声を聴き、ジャケットを見れば
 男の哀愁が強く感じるのです。
 特に、B面5曲目の「
We Had It All」、6曲目の「Rainbow Road」(ダン・ペンとの共作)に、
 それを感じてしまうのです。すばらしいソウル・バラードに仕上がっています。


Sam Cooke/ 「Live At The Harlem Square Club 1963
 偉大なゴスペル、ソウル・シンガー、サム・クック。彼の数多くあるアルバムの中でも、
 極めつけは「
Live At The Harlem Square Club 1963」、
 録音当初、RCAが発売を見送ったほど、内容が濃すぎた(黒すぎた)ようだ。
 サムの死後、
20年を経てようやく発売になったアルバム。
 発売後、凄い反響があったことは言うまでもないでしょう。
 同じライヴでも高級クラブ「コパ」でのものは白人聴衆を対象とし、
 白人ミュージシャンがバックを務め、かなり上品?な仕上がりとなっていた。
 片や「ハーレム」では黒人聴衆のみを対象としたもの、
 バックのキング・カーティス・バンドに煽られたかのような、
 サムのディープ・シンギングに圧倒されます。まさにグレート!!


O.V.Wright / 「O.V.Wright Live
 メンフィスのグレート・ディープ・ソウル・シンガーの一人、O.V.ライト。
 彼のアルバムもすばらしい作品が多数あるが、
1979年の日本でのライヴ盤を。
 晩年の頃の作品で、大病を患ったため姿、形はやせ衰えているけれど、
 力強いヴォーカルからは、まったくそれを感じさせない感動のステージであった。
 この公演の後、2年ほどして他界。涙なくしては聞けないものです。
 バック・バンドは伝説の「ハイ・リズム・セクション」、とにかく最高!!
 特に「
Love and Happiness」、バラード・メドレー「God Blessed Our Love」、
 
When a Man Loves a Woman」、「That's How Strong My Love Is」、
 アンコール曲「
Into Something (Can't Shake Loose)」が凄い!!


Big John Hamilton & Doris Allen / 「Deep Soul Classics 2
 このアルバムはB面1曲目の「Doris Allen」が歌う「A Shell Of A Woman」に尽きる。
 ゴスペル感覚の強い曲で、語りかけるような出だしから、徐々に盛り上げ、
 最後は爆発するかのようにエンディングに持ってゆく。
 非常にダーティな歌いっぷりであるが、とにかく凄まじい曲だ。
 ドリスは、これ
1曲でサザン・ソウル界に永遠に名前を残すであろう。

Bobby Bland / 「Members Only
 ボビー・ブランドを紹介するには50年代のデュークの名作「TWO STEPS FROM THE BLUES
 HERE'S THE MAN!!!」などを挙げなければならないが、
 今回は80年代中期のマラコ・レーベルでのデビュー・アルバム「
Members Only」を。
 とにかく渋いです。ブルースももちろんいいですが、
 エルヴィスの「
In The Ghetto」のカヴァーには脱帽しました。


Lightnin’ Hopkins / 「Mojo Hand
 このレコード・ジャケットを見るだけで、そのブルース世界が見えてくる、聞こえてくる。
 それにしても強烈な個性を持ったジャケットだ。
 もちろん中身も申し分ないし、タイトル曲は絶品である。
 レコードに針を落とし、あの独特の声を聞いたとき、これぞブルース!と思ったほど。
 ライトニンのレコードを始めて聞いたのは「ライトニン・ストライクス」であったが、
 1曲目を聞いただけでノックアウトされた記憶がある。60年頃の録音。


Muddy Waters / 「The Best Of Muddy Waters
 上記アルバムと同様に強烈な印象を受けるものとして、マディのベスト盤も落とせない。
 もちろん、内容についても申し分のないもの。
 すべていいが、「
Rolling Stone」を聞いたときの衝撃は忘れられない。
 57年にチェスから発売。


Otis Rush / 「Live In Japan 1986
 オーティスの数多いアルバムの中で、やはりコブラ時代がダントツである。
 が、ここではあえてそれを外して86年の日本でのライヴ盤を。
 バックはオーティスを敬愛する近藤房乃介がギタリストで参加。
 そして日本のブルース・バンドの代表格、ブレークダウンの面々があたった。
 近藤氏「ダブル・トラブル」のイントロで思わず涙。感動のあまり不覚にも涙が・・・。
 とにかく感動のライヴ盤です。

いつまでも元気でいて欲しい。そして、また素晴らしいステージを見せてほしい。

Curtis Fuller / 「Blues -ette
 モダン・ジャズの大名盤「Blues -ette」。
 とりわけ「
Five Spot After Dark」で特に有名なアルバム。
 昔、大阪にも「5
Spot」というジャズ喫茶がありました。
 日本人はこのような哀愁漂うマイナーなメロディがたまらなく好きなのでしょうね。
 しかし、B面
2曲目の「Love Your Spell Is Everywhere」もたまらなく好きですね。
 先の曲があまりにも有名になりすぎたせいか、少し埋もれてしまった感があるが、
 とにかく素適なバラードです。
 この曲をカーティスのハートウォームなトロンボーンがやさしく奏でます。
 サポートするベニー・ゴルソンのテナーとトミー・フラナガンのピアノがとってもいいです。
 女性ジャズ・シンガーの
JP・モーガンのヴォーカル・ヴァージョンも捨てがたい。59年の録音。


Milt Jackson / 「Milt Jackson Quartet
 MJQで有名なミルト・ジャクソンのソロ・アルバムから。
 数多いアルバムの中でも「
Milt Jackson Quartet」が大好きで、
 その中でも「
Moonray」という曲にほれ込んでいます。この曲も哀愁漂うマイナー・チューン。
 ミルトのヴァイヴも素敵ですが、ホレス・シルバーのピアノがよりムードを高めています。


Stan Gettz / 「The Sound

スタン・ゲッツの最高傑作であり、歴史的大名盤、
しかも超幻盤が数年前に日本においてオリジナル仕様で復刻。
「ディア・オールド・ストックホルム」がとにかくすばらしい。名曲ぞろいのアルバムです。


Lee Oscar & 古澤良次郎 / 「Live At The Pitinn
 80年代初め、新宿の「ピットイン」で
 
Eric Burton & War」のハーモニカ奏者であった リー・オスカーを迎えてのライヴ。
 日本のジャズ・ドラマー、古澤良次郎グループとの熱きセッション。
 全篇、叙情的で哀愁漂う美しいメロディで聞くものを和ませる。名盤です。
 因みにほとんどの曲をリー・オスカーが書いています。
 なんと素晴らしいメロディ・メーカーなのでしょう。
 特に「
Promised Land」、「My Road」、「Our Road」が胸を打つ。

Elvis Presley / 「Elvis At Sun
 今年、デビュー50周年という記念すべき年なので、このアルバムを選んでみました。
 つい、先ごろ発売されたばかり。
 同時に、再発された「ミリオン・ダラー・カルテット」も聴いてほしいアルバムのひとつです。
 エルヴィス・プレスリーの魅力はなんと言っても
50年代であり、
 特にサン・レーベルでの
2年間は最も重要。
 若い方には、もっと、もっと聴いていただきたいと思っています。
 なぜなら、エルヴィスこそアメリカ・ポップ音楽の源流と思うから。
 しかし、エルヴィスの魅力を伝えるにはこの
2枚だけでは伝えきれないのも事実。
 ここで、エルヴィス のマスト・アイテムを併せて紹介しておきます。
 
ELVIS PRESLEY」、「ELVIS」、「Elvis Golden Records」、「Elvis Is Back」、
 
How Great Thou Art」、「Elvis TV Special」、「Elvis In Memphis」、
 
Sun Sessions」(オリジナル・アルバム、発売順)。

《終わりに》
ソウル、ブルース、ジャズそしてロックンロール・アルバムを気ままにお話させていただきました。
中には一般的な意味で知名度が低いと思われるアーティストたちが含まれています。
一部、愛好家向けと取られがちですが、
これらのアーティストたちが、このまま埋もれたままでは、あまりにもったいない。
もっと多くの人に聞いていただきたい。そんな気持ちで綴ってみました。


<04・8・16>